イザカマクラ便り

ストレッチ

場所を選ばず気軽にできるストレッチですが、ストレッチは体の柔軟性を高めるのに効果的であり、準備運動や整理運動の一要素としても活用されています。

最近では美しい姿勢の保持やリラクゼーション効果が明らかとなってきました。

30分程度にわたり全身の筋を順番に伸ばしていくようなストレッチをする前と後で脳波や自律神経活動を調べてみると前頭葉(※1)でアルファ波(※2)が増加し、心拍変動を増加させ心拍数を低下させること、すなわち自律神経の活動が副交感神経(※3)優位になり、心と体がリラックスした状態になることが明らかになっています。

生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防に効果的か否かについてビデンスが十分とは言えませんが習慣的なヨガに実施が血圧を低下させること、柔軟性が高い人は動脈硬化度が低いことなどが報告されているようです。

 

ストレッチを実施する際に注意すべき原則は5つ!

1.20秒以上かけてのばすこと

最初の5~10秒くらいは適度な伸ばし具合を定めるための調整時間なのです。

2.伸ばす部位を意識すること

伸ばす部分に手をあてると意識しやすいかもしれません。

3.痛くなく気持ち良い程度に伸ばすこと

痛みがでるほど伸ばすと伸張反射(※4)が働き、かえって筋が硬直するので効果が低下します。

4.呼吸を止めないこと

腹部を圧迫するような部位のストレッチは呼吸が止まりがちで、そのため血圧の上昇が起こる場合がありますのでゆっくりと深い呼吸をしてリラックスしましょう。

5.部位を適切に選択すること

全身のストレッチをくまなく行うためには何時間も必要です。そのため、目的に応じて適切な部位を選びストレッチを行うことが大切です。

最後になりますが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

※1 人間の運動、言語、感情をつかさどる器官

※2 脳波の波形の一つで、ゆったりと気分の落ち着いたときに現れる波形

※3 自律神経のうち臓器や器官などの働きを抑制させる神経系

※4 脊髄反射の一つで、骨格筋が受動的に引き伸ばされると、その筋が収縮する現象