脳卒中
突然、症状が現れる脳卒中(※1)。
昔から「卒然として中(あた)る」、つまり突然わるい風にあたって体が動かなくなり、倒れるような病気が知られており、その発作を「卒中」、その症状が残ってしまった状態を「中気、中風(ちゅうふう、ちゅうぶ)」と呼ばれていました。
脳卒中の治療は一刻を争います。
特に脳梗塞の場合、発症後すぐであれば、脳の血管に詰まった血の塊を溶かす薬の投与により救命率が上がり、後遺症も軽くなる可能性が高まります。
ただし、血の塊を溶かす薬での治療は、発症後4~5時間以内に行う治療なので、検査などの時間を含めたら発症から2時間以内には病院を受診しましょう。
症状について【FAST】
異変に気づいたら、【FAST】と言われている4つを確認してください。
Face(顔)…にっこり笑ってください
・片方の顔が下がっていませんか?
・口角が下がっていませんか?
Arm(腕)…両手を挙げてください
・片方の腕が維持できずに下がってきませんか?
Speach(言葉)…簡単な文章を言ってください
・ろれつがはっきりとまわっていますか?
・言葉を理解できていますか?
・すんなり言葉が出てきますか?
Time(時間)…発症時刻
異変に気が付いたら時間が勝負です!
顔、腕、言葉のうち1つでも該当したら脳卒中の可能性があります。
119番に電話をするか、一刻も早く病院で受診してください。
脳卒中の中でも脳梗塞は真冬に多く発症すると言われていますが、冬に次いで夏にも発症のピークがあり、原因としては汗をかくと血液中の水分が減って固まりやすくなってしまうからです。
日常で気をつける事として、水分補給、適度な運動と睡眠を心がけましょう。
※1 脳卒中は脳血管障害とも言われ、「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の3つの病状のことをさします。
・脳血管が狭くなる、閉塞するものを「脳梗塞」
・脳血管が破れて出血するもののうち、脳の内部にある血管から出血するものを「脳出血」
・脳の表面にある血管(動脈瘤)から出血して脳表面が血液で覆われてしまうものを「くも膜下出血」